今年2月にオープンしました中之島美術館で開催中の岡本太郎展覧会に伺いました。
大阪市制100周年記念事業として構想から40年紆余曲折を経て竣工した美術館は多くの参加者からの提案による設計コンペで遠藤克彦氏が選ばれました。
中之島に来ると漆黒の巨大な立方体が見えてきます、景観に馴染んでいるのか異物なのか奇妙な印象を受けます。
建物に入ると5階までの大きな吹抜け空間にエスカレーターがオブジェのように交錯し未知の場所に導かれて行くような不思議な感覚がしました。
核となる設計思想は「パサージュ」フランス語で歩行者専用の小径、立体的な導線をパサージュとして美術館の中心にオブジェのように存在します。
また美術館来場者だけでなく幅広い世代の人に気軽に自由に訪れることが出来きてアートを感じられ活動拠点になる場所にと考えられているそうです。
1階には「野菜の美食」をコンセプトとした12年連続でミシュランに選ばれた名店「リュミエール」がカフェレストラン「Musée KARATOミュゼカラト」を8月に開店を迎え展覧会とコラボレーションしたメニューの開発などにもチャレンジしているそうです。
今回開催中の岡本太郎展覧会は故人の芸術人生を振り返る最大の展覧会となっています。
絵画、立体、パブリックアートから生活用品まで、多岐にわたり強烈なインパクトは色褪せていません。
岡本太郎の抽象的なアートをこんなにもたくさん見ると情緒不安定になりそうなぐらい色んな感情が湧いてきます。
その中でも渋谷駅にある巨大壁画「明日の神話」の下描きは、かなりの大きさがあり圧巻でした、また最近パリで発見された初期の作品3点なども展示されています。
設 計:遠藤克彦建築研究所
施 工:銭高・大鉄・藤木特定建設工事JV
所 在 地:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
施 主:大阪市長
構 造:鉄骨造、基礎免震 地上5階建
敷地面積:12,870.54㎡ 建築面積:6,680.56㎡ 延床面積:20,012.43㎡